前段として、住宅ローンの組み方を前回書きました。
今回は、住宅ローン減税の側面から、セミリタイア(FIRE)を目指す人がどのように住宅ローンを組むのがお得かを考えてみます。
住宅ローン減税の単独ローンとペアローンの比較
妻が育休前にもらっていた給与水準に来年以降復帰して戻るという前提です。
単独ローン
夫 | 妻(育休前の水準) | 合計 | |
借入額 | 32,000,000 | 0 | 32,000,000 |
住宅ローン控除 | 0 | ||
所得税 | 104,300 | 59,200 | 163,500 |
住民税 | 136,500 | 125,200 | 261,700 |
(上限 136,500、実際 214500) | 0 | ||
合計 | 240,800 | 240,800 | |
住宅ローン控除上限 | 320,000 | 320,000 | |
差し引き | -79,200 | -79,200 |
単独ローンだと控除分が活かしきれていないことがわかります。直近では、8万円近くの控除額が無駄になります。
ペアローン
夫 | 妻(育休前の水準) | ||
借入額 | 25,000,000 | 7,000,000 | 32,000,000 |
住宅ローン控除 | 0 | ||
所得税 | 104,300 | 59,200 | 163,500 |
住民税 | 136,500 | 125,200 | 261,700 |
(上限 136,500、実際 214500) | 0 | ||
合計 | 240,800 | 184,400 | 425,200 |
住宅ローン控除上限 | 250,000 | 70,000 | 320,000 |
差し引き | -9,200 | 114,400 | 105,200 |
ペアローンで、住宅ローン控除が活かせるよう、約20パーセントを妻の名義でペアローンを組むとすると、住宅ローン控除上限まで無駄なく活用でき、毎年8万円近くの節税効果があります。
まとめ
今現在住宅ローンを組むとするなら、奥さんとペアローンで組むのがいいということがわかりました。
では次にセミリタイア(FIRE)をするにあたっての検討事項について考えていきます。
(参考)
セミリタイア(FIRE)後に借り換え
住宅ローンを借りた人が所得税の減免を受けられる制度。当然セミリタイアしたら所得税が減り住宅ローン減税を受けられなくなります。
我が家では奥さんが育休から来年復帰し、今後は2馬力になる予定なので、仮に自分がセミリタイアした後に奥さんが働き続ける場合、住宅ローンの名義変更ができるのか調べてみました。
夫婦どちらかに住宅ローンを名義変更する場合
調べてみると、原則、名義変更はできないということがわかりました。
基本的には、名義変更ではなく、借り換えでの対応をしていくことになりそうです。
この場合、新しく借り人が、同程度の返済能力を有している必要があります。
また、借り換えのための手数料が発生すること。
あわせて不動産の名義変更を行う場合は、奥さんへの「財産分与」とみなされます。このケースだと贈与税が発生することがあります
共有名義から単独名義への変更
共有名義から単独名義への変更は、非常にハードルが高いとのことです。一般的に、夫または妻の返済能力が十分であれば、共有名義で住宅ローンを組む必要がありません。共有名義にするメリットは、夫婦2人の収入を合算できることです。
名義人を奥さんに変更する場合、返済能力は単独名義に減少します。契約当初の合算収入に届かずに返済が滞る可能性があるため、共有名義から単独名義への変更は、なかなか審査に通りません。
まとめ
借り換えは、基本的には厳しくFIRE後に奥さんに住宅ローン減税を移動することは中々困難であるということがわかりました。
住宅ローンを借りる際には、奥さんも借りれるだけ借りて、夫が辞めた後でも多く減税を受けれるようしておいた方が良さそうです。
もちろん、夫、妻ともにセミリタイアする場合でも、その後どのように働くかを決めていない状態なら、どちらでも減税が受けれるよう、負担割合もイーブンに持っていけるだけ持っていった方がよいと思われます。
セミリタイア(FIRE)後の住宅ローン減税の活用
次に、借り換えを行わない場合、セミリタイア後は所得税がかかるものがあります。
それは高配当株投資を行っている際に源泉徴収されている20.315%の税金です。
源泉徴収されている中身としては所得税15.315%、住民税5%となっています。
この部分について住宅ローン減税を受けれるという話ですが、「おっさんずログ」さの方で詳しく解説があります。
我が家の場合は、セミリタイアまでの減税をフルに受けようとすると、共有名義で借りることになります。さらに、夫婦ともにNISAを活用して、高配当株投資を行っているので、高配当株投資に対する住宅ローン減税の活用はあまり望めなさそうです。
まとめ
セミリタイアまでの期間は、住宅ローン控除をフル活用できる範囲で二人の持分をなるべくイーブンになるようにペアローンを組む。
セミリタイア後から減税が活用できる13年の間は、セミリタイアをしていない方だけが減税を受ける
もし、二人とも住宅ローン減税を受けれる期間にセミリタイアしたら、住宅ローン減税は諦める。
我が家の場合はこのような結論になりそうです。
コメント