はじめに:会社員を辞めても、なぜか旅に出たくなる
会社員だった頃、口癖のように「あー、旅行いきてぇ…」と呟いていました。
日々のタスクや人間関係に追われ、すり減っていく心をなんとか保つために、週末や連休の旅行計画を眺めてはため息をつく。あなたにも、そんな経験はありませんか?
でも、会社を辞めてストレスフリーな毎日を送るようになった今、ふと気づいたんです。
「あれ、ストレスないのに、なんでこんなに旅に出たいんだろう?」
この感情は一体どこから来るのだろう?今日はそんな、私自身の心の変化について深掘りしてみたいと思います。
会社員時代の「旅行したい」は逃避や解放欲求だった
思い返せば、会社員時代の「旅行したい」という気持ちは、ほとんどが“現実からの逃避”でした。
- 溜まったストレスの発散
- 忙しい毎日のご褒美
- 現実からの一時的な脱出
- 非日常=癒し、という図式
金曜の夜、疲れ切った頭で「とにかく休みたい」「どこか遠くに行きたい」と感じる。それは、心と体が「もう限界だよ」と叫んでいるサインだったんですよね。
旅は、日常で背負い込んだ重たい荷物を一時的に下ろすための、大切な“避難場所”だったんだと思います。
3. FIRE(セミリタイア)後の「旅行したい」は別の心理から来ている
ところが、FIRE(セミリタイア)してストレスから解放された今、「旅行したい」という気持ちはまったく違う性質のものに変わりました。
- 心が満たされていても、“刺激”を求めている
- 自分の中の「好奇心」や「冒険心」が動き出す
- 子どもと一緒に体験したい“記憶に残る時間”を作りたくなる
- 場所を変えることで“思考が整理される”と知ったから
ネガティブな感情から逃げるための旅ではなく、もっと前向きで、未来につながるような旅。
自分の知らない世界を見てみたい、新しいアイデアのヒントが欲しい、そして何より、家族との“今”しかない時間を大切にしたい。そんなポジティブなエネルギーが、私を旅へと駆り立てます。
4. 人は「日常を超える体験」を本能的に欲している
この変化を考えていくと、一つの仮説にたどり着きました。それは、「人は本能的に“日常を超える体験”を求めているのではないか」ということです。
少し難しい言葉になりますが、行動経済学的に「変化」は幸福感を高める要素のひとつだと言われています。また、心理学でいう「経験価値」は、モノの消費よりも長く幸福感を持続させることが分かっています。
FIRE(セミリタイア)は、確かに自由の始まりです。でも、完全に平坦で安定した毎日が続くと、今度は心に「揺らぎ」が欲しくなる。
つまり、旅とは単なる「日常からの脱線」ではなく、「日常をより深く味わうための深化」なのかもしれません。
5. まとめ:旅は“ご褒美”じゃなくて、“自分を整える習慣”に進化した
会社員時代の僕にとって、旅は仕事の報酬であり緊急避難場所でした。それはそれで、当時の自分を支えてくれた大切な時間です。
しかし今は、まったく違う意味を持っています。
- 昔:仕事の報酬 or 逃げ場所
- 今:人生を豊かにするための“ベースキャンプ”
旅は特別なご褒美ではなく、心をリフレッシュし、新しい視点を取り入れ、人生という冒険を続けるためのエネルギーを補給する自分を整える習慣へと進化したようです。
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