はじめに
数年前、私は突然「ブラック部署」への異動を言い渡されました。そのとき、
自分の人生がこのまま仕事に消耗されてしまうのではないかと危機感を覚えもがいている時に、
経済的自由を目指す「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という概念に出会いました。
すぐに会社を辞めてしまうわけではなく、副業を組み合わせて生活費の一部を賄いながら余裕を生み出すサイドFIREや、バイト先の福利厚生を活用しつつ資産収入と組み合わせるバリスタFIREといった
柔軟なリタイア方法もあることを知りました。
ところが実際に会社員生活から距離を置き、自由な時間が増えるほど、
やる気が出ない・家族以外と話す機会が減るといった「落とし穴」に直面する人も多いと聞きます。
特にセミリタイア(FIRE)後は上司や同僚に決まった時間を管理されないので、
自分から「今日やること」「長期的な目標」を決めておかないと、時間だけが過ぎていき焦りを覚える人もいます。
そこで今回は、習慣化を取り入れることでセミリタイアやFIRE後の生活を
より充実させる方法をご紹介します。
サイドFIRE・バリスタFIREの基礎
FIREには複数のスタイルがあり、資産収入だけで生活するのが難しければサイドFIREという手段があります。これは、高配当株や投資信託などの資産収入に加え、副業で不足分を補うスタイルです。
一方、バリスタFIREは、カフェなどのバイトをしながら健康保険や年金などの社会保険を確保し、
残りの収入を資産から得るスタイルです。私自身もパートをしつつ、好きな活動や副業を主軸にする計画を立てています。
なぜ習慣化が重要なのか
ルーティンが創造性を生む
早期リタイアを達成した海外の事例でも、ルーティンの大切さが語られています。
Business Insiderがインタビューしたポッドキャスターのブランドンは、
34歳でFIREを達成したものの、仕事が無くなった直後は自由すぎる時間のせいでクリエイティブな活動に集中できなかったと語っています。
その後、「毎朝ジムに通う」「朝の時間に情熱を注ぐプロジェクトを進める」といったルーティンを確立したことで、食事や睡眠が改善され、創作活動へのエネルギーが湧いてきたと言いますbusinessinsider.jpbusinessinsider.jp。
自由な時間こそ、自分のリズムを整える習慣が必要だといういい例です。
人の行動の40%は習慣でできている
Second Wind Movementのコラムによると、私たちの行動の約40%は習慣で占められており、年齢を重ねても脳はちゃんと新しい習慣をつくれる(神経可塑性)と指摘されていますsecondwindmovement.com。
習慣は「きっかけ→欲求→反応→報酬」のサイクルで成り立っているため、望ましくない習慣は反応を別の行動に置き換えることで修正できると解説していました。
たとえば退職後についダラダラとテレビを見てしまうなら、その“反応”を散歩や読書に変える、といった工夫が役立つわけです。
目的をもった生産性が幸福感を生む
退職後の生活を「無限のレジャー」としてだけではなく、成長や自己実現の機会として捉えることも重要だと日々感じています。
やりたいことに時間を使いつつも、誰かに役立つ活動や学びに取り組むことが、満足度の高いセミリタイア生活につながるのという仮説を立てています。
充実したセミリタイア生活を支える習慣
習慣化の重要性を踏まえ、セミリタイア生活を充実させるために役立つ習慣を
自分の経験と外部情報から具体的に整理してみました。
朝のルーティンを設ける
早起きや決まった時間に起きるなど朝のルーティンをつくることが生産性を高めるというのは色々な本や動画で言われています。「朝起きてベッドメイキングをする」「カフェや自宅で15分だけ副業に集中する」など、小さな行動でも良いとのことです。
私も最近習慣化について管理し始めていて、朝15分間副業に集中し、夜に15分間進捗チェックを行うなど、1日の冒頭と終わりに小さな習慣を設けています。この「朝と夜のリズム」があることで、自由な時間の中でも緩急をつけて目標に向けた作業を進めようと考えています。
毎日1つのアウトプット
セミリタイア後は誰かに締め切りを設定されないので、自分で“締め切り”をつくることが大切です。
私のタスク管理には「毎日必ず『公開』か『発信』を1つ」という項目があり、ブログ下書きやSNS投稿など小さなものでも構わないから毎日外に出すことを意識しています。
secondwindmovement.comにも、毎日小さな具体的課題を設定する「デイリー・マイクロステップ」の重要性を説いています。目標が大きすぎると挫折しやすいので、「ブログの導入を書くだけ」「アプリの機能を一つ実装する」といった小さな課題を設定して達成感を積み重ねることが推奨されていました。
週次・月次の小さな実験
習慣は日々の行動だけに限りません。
私の習慣化の一覧には週1回新しい副業施策を試し、週末には現地調査など、週次や月次のルーティンも設けています。月単位では収支レビューや投資ポートフォリオの見直し、記事や動画を一定数作るなど自分のペースで取り組める目標を設定しています。
これらの、小さな習慣を繰り返すことでなりたい自分や目標に少しづつ近づいていけたらなぁと思っています。
運動習慣と健康管理
セミリタイア生活に入って自由な時間が増えると、意識しないと身体を動かす機会が減りがちです。私自身もジムに通う習慣をつけてみたところ、睡眠の質や日中のパフォーマンスが向上していると感じています。
研究によると、運動を取り入れることでエネルギーや気分が高まり、生産性が70%以上向上するという結果もあるそうです。ジョギングやウォーキング、ヨガなど、自分に合った運動を取り入れることが大切だと思います。セミリタイアして、ジムに申し込みしてサボりがちではありますが、サイクリングマシンを漕ぐのをがんばっています。
集中できる時間を意識して作る
リタイア後はついテレビやスマートフォンに時間を奪われがちです。実際、高齢者は平均して1日に4時間以上も画面を見ているというデータもあるそうです。だからこそ「無駄のない時間」を意識的にスケジュールに組み込むことが大切だと思います。
読書や学習、創作活動など、余計な刺激を遠ざけて一つのことに没頭できる時間を確保する習慣を持つことで、毎日の生活に張りが生まれます。
人間関係を大切にする
自由な生活は気楽な反面、孤独を感じやすくなることもあります。「自分の周りの5人が自分を形作る」という言葉があるように、前向きな仲間やコミュニティに身を置くことが大切だと思います。
私自身の長期的な計画でも、地域のイベントやワークショップに参加したり、対面で人と関わる活動を続けていくことを目標にしています。リアルなつながりは収入のきっかけになるだけでなく、生活そのものに張り合いをもたらしてくれると感じています。
まとめ
セミリタイアやFIREは、必ずしも「働かない生活」ではなく、生活費の一部を資産から、残りを好きな活動や副業から得る柔軟な働き方です。
しかし、自由な時間が増えたからこそ毎日のルーティンが失われると、やる気が出ない・健康を損なう・孤独感が増すといった問題が起こります。
今回紹介したように、早起きや運動、毎日1つのアウトプットなど小さな習慣を積み重ねることでリズムが生まれ、自分のやりたいことに集中できるようになると信じ、少しづつ色々なことを習慣化できるように試しています。
コメント